鍵が開きにくいそろそろ寿命かな

私の家から車で30分くらいのところに実家がある。スープは完全に冷めてしまう距離だけど、車の運転が好きだし、両親のことも心配なので週に2度は通うようにしている。両親とも70歳を過ぎてはいるけれど、足腰が丈夫なので、よく二人で神社仏閣巡りをして仲がいい。このままいつまでも健康で仲良く暮らしていってくれるのが、娘である私の唯一の願いだ。

そんなわけで、私のキーケースには自宅の鍵二本と車のキー、それから実家の鍵がついている。普通のシリンダー錠なので、私は鍵を防犯面で安全なものに変えたほうがいいと思っているのだが、当の二人は「盗るものなんか、うちにはおいてない」というのが口癖でちっとも動こうとはしない。仕方ないのでダミーの補助錠だけは私がつけたのだけど…。

そんな二人が住む実家の鍵、最近開きにくくなってきた。毎日その鍵を使っている二人は、何か開けるコツのようなものがあるみたいで、すんなり開けることができるのだが、たまにしかこない私にはそれがいまいちよくわからず、何度も金属をこすり合わせる音を建てながら、時間をかければ何とか開けられるような状態だ。だけど、そろそろ寿命なんじゃない、と私が促しても、「こっちの寿命ももうすぐだし」とかわされてしまう。この二人に任せていたら、きっと本当にお迎えが来るまで変えることはないだろう。

私は夫と話し合い、実家の鍵を鍵屋さんにお願いして変えてもらおうと思っている。きっと二人は「そんなムダ金使うな」と怒るかもしれないけれど、鍵の寿命を延ばすことで二人の寿命も延びて欲しい、どこかにそんな思いがあるのだ。